最近読んだ小説です。
希望のゆくえ 寺地はるな
傷を負い、自分を愛せない大人たちへ
本屋大賞ノミネート作家が贈る 感涙のエール小説
失踪した弟の居所を探す旅に出る兄。旅の最中で、あれ?弟って、どんなやつだったっけ?
と改めて考えてみると、よくわからないということに気づく。
自分も、弟って、どんなやつだったっけ?を考えてみた。
すぐに、いいやつだという答えが出た(笑)
文庫でしか読めない最終章も収録されておりました。
誰からも愛された弟には、
誰も知らない秘密があった。
突然姿を消した弟、希望。
行方を追う兄の誠実は、
関係者の語る姿を通し弟の持つ複数の顔を知る。
本当の希望はどこにいるのか。
記憶を辿るうち、
誠実もまた目をそらしてきた感情
と向き合うこととなるー。
痛みを抱えたまま大人になった兄弟が、
それぞれの「希望」を探す優しいエールに満ちた物語。
文庫化にあたり、書下ろし短備を収録。
繊細で脆く、傷つきやすい人間の
心の切実さをありのまま描くことで、
寺地さんは小説を通して私たちに問いかけてくる。
明確な答えは示されない。
その答えはあなたが感じることだと、
強くて優しい筆致が心に投げかける。
もう知っているように思っていても、
この生きづらい世の中で、
知られていないこと、
知らなかったことはいっぱいある。
知ったような気になってはいないかと
自分自身を深く見つめ直す機会を、
いつも与えてもらってきた。
ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理