先日、東京都が
令和6年東京都の労働相談の状況
を公表しました。
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/data/koyou/soudan/r6
主なポイントは、以下のとおりかなと。
- 労働相談の全体状況:
- 令和6年度の労働相談件数は44,440件で、前年度より1,798件(4.2%)増加
- 年間の相談件数は、令和3年度以降5万件を下回る状況が継続
- 労働相談の内容(上位5項目):
- 最も多い相談項目は「職場の嫌がらせ」で10,113項目
- これに続いて、「退職」(9,102項目)、「労働契約」(6,710項目)、「解雇」(4,948項目)、「休職・復職」(4,681項目)が上位を占めている
- 労働相談の受付形態と所要時間:
- 受理形態では、電話による相談が26,265件(59.1%)で最も多く、次いで来所相談が6,524件(14.7%)
- 令和5年度から開始された「東京都LINE電話労働相談」は3,794件(8.5%)
- 労働相談1件あたりの平均所要時間は約17分で、30分未満の相談が全体の8割強
- あっせんの状況:
- 労働相談から「あっせん」に移行した件数は268件で、前年度より11件(4.3%)増加
- あっせんにより労使間の合意ができた件数は174件で、解決率は64.9%
- あっせんの解決内容では「金銭」が38.5%で最も多く、打切要因では労使双方の「主張不一致」が74.5%
- あっせんの内容では、「退職」(15.7%)、「職場の嫌がらせ」(13.3%)、「解雇」(10.2%)が上位3項目
- あっせんに要した日数は、「10日未満」が30.2%と最も多く、概ね4週間以内に約5割が決着
- 特定テーマの労働相談の傾向:
- パート・アルバイト労働相談: 5,635件(4.4%減少)で、女性からの相談が68.5%
- 派遣労働相談: 2,131件(2.0%増加)で、女性からの相談が66.0%
- 外国人労働相談: 1,970件(28.1%減少)でした。情報通信業からの相談が最も多く、次いでサービス業、製造業が続く。タブレット端末を利用した14言語対応のテレビ電話通訳制度を導入
- 職場の嫌がらせ: 10,113件(1.6%減少)で、引き続き最多項目です。女性からの相談が57.4%
- セクシュアルハラスメント: 1,045件(16.4%減少)で、女性からの相談が84.2%
- マタニティハラスメント: 449件(47.0%減少)でした。不利益な取扱いに関する相談が多い傾向
- メンタルヘルスに関する労働相談: 4,966件(89.8%増加)と大幅に増加しました。職場の嫌がらせや休職・復職に関する相談が多数
- 心の健康相談: 277件(54.7%増加)で、30代から50代の相談が多く、心身の不調や人間関係に関する相談が6割を超える
- 東京都のサービス提供体制:
- 都内6か所(飯田橋、大崎、池袋、亀戸、多摩、青山)に労働相談情報センターを設置し、労働問題全般の相談に対応
- 「東京都ろうどう110番」や「東京都LINE電話労働相談」、オンライン相談、遠隔相談、労働相談チャットボットなど、多様な相談窓口を提供
- 令和6年度からは、青山事務所(はたらく女性スクエア)で女性に関する労働相談を受け付け
- 労働問題と再就職に関する年末特別相談会なども実施
音声解説も作ってもらいました