「新しい時代の働き方に関する研究会」の報告書が公表されました

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令和5年10月20日に、「新しい時代の働き方に関する研究会」の報告書が公表されました。

この研究会は、新型コロナウイルス感染症等の影響による生活様式の変化など、働く人の働き方に対する意識等が個別・多様化している背景を踏まえ、働き方や職業キャリアに関するニーズ等を把握しつつ、新しい時代を見据えた労働基準関係法制度の課題を整理することを目的として、設置されたものです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35850.html

この報告書ですがなかなか示唆に富んでいます。

この研究会では、これまで以上に働く人が希望する働き方を実現し、能力を十分に開発し発揮できる働く環境を構築しなければ、我が国の発展はないという考え方を出発点として検討をしているようです。

その上で2つの視点を提示しています。

1つは守るの視点:全ての働く人が心身の健康を維持しながら幸せに働き続けることのできる社会を実現するためには、いかなる環境下においても全ての労働者に対して守るべきことがあるという視点

2つ目は支えるの視点:全ての働く人が活躍し、やりがいを持って働ける社会を実現するために、働く人の多様な希望に応えることができるよう働く人の多様な選択を支援する必要があるという視点

1つ目の視点はまさに労働基準法が念頭に置かれていると思います。

2つ目の視点と関連すると思いますが、報告書では、仕事において重視する要素、希望する労働時間、希望する業務遂行の仕方に対する労働者の意向が一様ではなく、労働者の求める働き方は多様であることが見受けられたという調査結果が提示されています。

まさにこれは全体的な管理ではなくて個別的な管理という視点だと思います。

まさに個人契約型社員の出番ではないでしょうか。

また、この報告書では、日本全体の労働者数は約6000万人である一方で、労働基準監督官の数は約3000人であり、国際的に見て労働者数あたりの労働基準監督官の数が少ないという量的課題があるという指摘がされています。

そしてこの報告書では、未来を担うすべての方へと題して提言がされております。

その1つとして、

不確実な時代の中で働く人が幸せな職業人生を実践するには、自分の力で働き方を選択し、キャリアプランを描けるようになることが大切であり、

①企業の中で自らの働く価値を見つけ自分らしい働き方を実現成長していくこと

②転職やキャリアを通じてキャリアアップを目指すこと

③あるいは病気の治療といった事情を抱えていてもこれらと仕事とを両立できる環境の下で働き続けること

のいずれの選択であっても働く人の未来の可能性を広げるものである。

 

また人的資本投資への取り組みということも記載をされていて、諸外国に比べて少ないといった指摘があると書かれております。

そのため、働く人が主体的に能力開発とキャリア形成を行うことができるよう研修等を受講するための時間の確保など働く人が安心して学ぶことができる支援を提供することも求められると書かれています。

個人的には外資系企業は即戦力採用であり日本企業は採用後に育てるという印象があり、人的資本投資の取り組みが諸外国に比べて少ないという指摘にはやや疑問を感じます。

いずれにせよ今後企業において従業員に対する様々な研修というものが多く行われていくということが予想されます。

 

本日から、最後の部分を、心に響く名言100に変更します。

1日1話読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書も1年終わりましたので。

1 孫氏(中国春秋時代の兵家)

彼れを知り己れを知れば、百戦して殆うからず。

彼れを知らずして己れを知れば、一勝一負す。

彼れを知らず己れを知らざれ戦う毎に必ず殆うし。

人生は戦いである。日本では、戦いや競争ではないなどと甘いことが言われることが多いが、そんなことはない。

基本は競争であり、戦いである。

戦いに勝つためには、自分の力だけでは足りず、他人の協力も必要。だから、他人への思いやりが求められる。

出発点は、勝つぞ、負けないぞという気概である。

 

そう、根にあるのは競争。それを忘れてはいけない。僕も同じ考え。

世の中は、勝つか負けるか、食うか食われるかの競争。

その部分を曖昧にして、美しい言葉だけを並べてもだめ。