偽装請負を防ぐフリーランス・個人事業主の「労働者性」判断 法理・判例・指針 佐藤広一先生

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先日、仲良しの佐藤広一先生が、またまた新しい書籍を出されました。

もう何冊?いや、もう何十冊?って感じでかなり多く執筆されています。

購入は→こちらから

労働者性の問題というのは、伝統的に昔から議論されている問題ではありますが、

この書籍でも指摘のある通り、現在また、ホットトピックになっています。

そして、結局のところ、その区別、境界線は、難しい。

予測可能性が低いと言わざるを得ない状況かなと。

でも、勉強することによって、整理をすることによって、なんとなくはわかる世界かな。

そして、それをわかりやすく解説しています。

では、「はじめに」をご紹介

政府の主導で進められた働き方改革以降、

フレックスタイム制の延長、

専門業務型裁量労働制の適用業務の拡大、

高度プロフェッショナル労働制の創設など、

多様な働き方が認められるようになってきた。

新型コロナウイルスの蔓延によりテレワークが大きく進展し、

それまでは、当たり前であった会社に通勤することを必ずしも必要としない働き方に様変わりしたのである。

他方で、請負契約、委任契約そして準委任契約といった、

いわゆる「業務委託契約」による就業者も大きく増加した。

とりわけ圧倒的に人手が足りていないソフトウェア開発のエンジニアや各種コンサルタント、

そして人事、財務、経営企画部門のプロフェッショナルなどが業務委託契約によって、

企業から業務をアサインされ多く就業している。

 また、プラットフォーム・エコノミーの進展により、

仕事の諾否の自由は認められるものの、

働き方の実態は「労働者」に近似したプラットフォームワーカーも拡大した。

さらには、AIやアルゴリズムによる労務管理のデジタル化等も発展している。

こうした中で、労働者性判断の分かりにくさが増大し、

これがもとで様々な問題が生じている現状がある。

筆者は、証券取引所への新規上場を目指すIPO準備会社やM&Aシーンにおいて労務デューデリジェンスを実施することを生業としているが、

これらの場面においても業務委託契約の適法性がスコープとされ、

その不適正な運用を指摘することが少なくない。

業務委託契約が否認され労働者であると認められると、

未払い賃金、未取得の年次有給休暇、社会保険への未加入などが問題となり、

多額の簿外債務を精算しなければならない。

また、偽装請負の問題にも発展する恐れがあり、

労働者派遣法違反を問われ罰則の適用を受ける対象となる可能性も生じる。

こうしたことから、多様な働き方が加速度的に進展している今だからこそ、

フリーランス・個人事業主等の業務委託契約者を安心して活用し、

戦力化することができるよう、

業務委託契約者の労働者性判断の問題、

偽装請負の問題、フリーランスをめぐる法規制を検討・整理することとした。

本書は、請負契約、委任契約及び準委任契約と労働契約との関係について既発の労働行政資料を中心に整理、論考し、

①各労働関係法規における「労働者」の定義・解釈、

②労働基準法における「労働者」の判断基準、

③労働組合法における「労働者性」の判断要素、

④労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(37号告示)、

⑤フリーランス・事業者間取引適正化等法、

⑥「労働基準関係法制研究会報告書」にみる今後の検討課題、

という6つの構成とした。

この問題を取り巻く論点として、ほぼ網羅しているといって良いだろう。

労働力人口が減少トレンドの中、人的リソースの確保として、

今後もますます業務委託契約者の活用が増大化していくことが想定される。

本書が業務委託契約者を適正に活用し、

戦力化することの契機となれば望外の喜びである。

なお、本書の執筆に当たっては、

企画段階から伴走して頂いた株式会社中央経済社実務書編集部 牲川健志氏に多大なご協力を頂いた。

この場をもって心より感謝の意をお伝えしたい。

2025年12月

佐藤 広一

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