令和5年版労働経済の分析が公表されました

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令和5年9月29日、令和5年版労働経済の分析が公表されました。

この労働経済の分析とはいわゆる労働経済白書のことです。

今回の分析テーマは持続的な賃上げに向けてということのようです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35259.html

厚生労働省が公表しているポイントは以下の通りです。

【白書の主なポイント】

・1990年代後半以降わが国の一人あたり名目賃金が伸び悩んだのは、➀名目生産性が他国と比べて伸び悩み、➁パートタイム労働者の増加等により一人あたり労働時間が減少し、➂労働分配率が低下傾向にあったことが背景にある。

・詳細に分析すると、企業の利益処分の変化、労使間の交渉力の変化、雇用者の構成変化、日本型雇用慣行の変容、労働者のニーズの多様化等が影響した可能性が考えられる。

・賃上げは、企業にとっては、求人への応募を増やす、離職率を低下させる等の効果が、労働者にとっては、仕事の満足度を高める等の効果がある。また、経済全体では、消費や生産等を増加させる効果がある。

・最低賃金の引上げは、最低賃金近傍だけではなく、賃金水準が中位に位置するパートタイム労働者にも効果が及ぶ可能性がある。また、同一労働同一賃金の施行は、正規と非正規雇用労働者の時給差を10%程度縮小させる等の効果があった可能性がある。

 

 

概要の中で、ポイントかなと思ったのが、

近年、企業の人手不足は企業規模にかかわらず深刻化しているが、高い求人賃金や完全週休2日、ボーナスあり、時間外労働なし等の条件が加わると、求人の被紹介確率が上昇する。

賃上げは、企業にとっては、既存の社員のやる気向上や離職率の低下等の効果があり、増加額が高いほど、仕事への満足度の向上や、生き生きと働けるようになる等の効果がある可能性がある。

 

これだと優秀な人材を確保するには、やはり賃金を出さないといけないというシンプルな結果に落ち着くなと思った。

 

9月30日 古森重隆(富士フイルムホールディングス会長兼CEO)

生活と会社の仕事をどう両立していくべきか

ある時30代の若い社員から質問された時にこのように回答した。

とにかく半年間全力で会社のために働いてみなさい。そこで初めてどうバランスを取ればいいかがわかるから。

 

なるほど。最初からどう両立していくのかということを考えるのではなく、とりあえず全力でやってみる、1つのことを。

そうすると自ずと答えは見えてくるんではないかと。

これってとてもすごい良い指導だなと、深いなと思いました。

答えを教えるのでもなく、自分で考えさせる、そういったことも念頭においておられるんだなと。