最近読んだ小説です。
希望のゆくえ 寺地はるな
傷を負い、自分を愛せない大人たちへ
本屋大賞ノミネート作家が贈る 感涙のエール小説
失踪した弟の居所を探す旅に出る兄。旅の最中で、あれ?弟って、どんなやつだったっけ?
と改めて考えてみると、よくわからないということに気づく。
自分も、弟って、どんなやつだったっけ?を考えてみた。
すぐに、いいやつだという答えが出た(笑)
![](https://i0.wp.com/okazakinoriyuki.com/wp-content/uploads/2024/06/72398584-15ED-4393-94EF-63801A981AD7_1_105_c.jpeg?resize=644%2C859)
文庫でしか読めない最終章も収録されておりました。
誰からも愛された弟には、
誰も知らない秘密があった。
突然姿を消した弟、希望。
行方を追う兄の誠実は、
関係者の語る姿を通し弟の持つ複数の顔を知る。
本当の希望はどこにいるのか。
記憶を辿るうち、
誠実もまた目をそらしてきた感情
と向き合うこととなるー。
痛みを抱えたまま大人になった兄弟が、
それぞれの「希望」を探す優しいエールに満ちた物語。
文庫化にあたり、書下ろし短備を収録。
![](https://i0.wp.com/okazakinoriyuki.com/wp-content/uploads/2024/06/E1CBE49C-A411-4D48-9BF3-53FEE1F54301_1_105_c.jpeg?resize=644%2C859)
繊細で脆く、傷つきやすい人間の
心の切実さをありのまま描くことで、
寺地さんは小説を通して私たちに問いかけてくる。
明確な答えは示されない。
その答えはあなたが感じることだと、
強くて優しい筆致が心に投げかける。
もう知っているように思っていても、
この生きづらい世の中で、
知られていないこと、
知らなかったことはいっぱいある。
知ったような気になってはいないかと
自分自身を深く見つめ直す機会を、
いつも与えてもらってきた。
ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理